Hige meets girl (vol.3)

先週、新宿の居酒屋で働いている可愛い女の子に会おうと思い、気合いを入れて夜の街に繰り出したのだが、経営しているおばさんにやんわりと

「あの女の子今日はいないんですねー」

と言ってみたら「もう辞めたよ」と一蹴されたので、ヒゲの恋路はまた一つ道が塞がってしまった。

それから一週間がすぎ、もんもんとした土曜を過ごしそうだったので、音楽家で最近すこしデブリ気味の友人(デブオと呼ぶ)に連絡してクラブに行く事になった。

23時オープンだったので終電くらいで待ち合わせしようとデブオは言った。僕は暇だったので1時間くらい前に現地に到着して先にどこかの居酒屋にでも入って一杯やってようと思い。早めに家を後にした。駅からおりて良い居酒屋はないかとプラプラしていたらおかしなイラストの看板が目につき、イガグリという名前の居酒屋に入る事にした。

カウンターとテーブルが一つあるだけのこじんまりとした居酒屋で全部席が埋まっても10人くらいがこの店のMAXだろう。照明は明る過ぎずオシャレなオレンジを放ってもいなくちょうどいい感じだ。女性2人と男性1人がカウンターで会話をしている。それに気を取られてマスターの顔を確認していなかったのだが「いらっしゃい」と威勢のいい声の先を確認してみるとウサギの帽子をかぶってイヤリングをしている男性が笑っている。(ははーん変なとこきちゃったかな)と思ったがそれを楽しめそうなコンディションだったので問題はなかった。

僕はこの後クラブにナンパしに行くつもりだが不埒なナンパではない。確固たる決意がある。もし素敵な女性がいれば一生の伴侶にしようという気概がある。しかしもともと女性に強い人間ではないためもし素敵な女性がいても臆病が顔を出してしまったら大変なのですこし態度がでかい状態になった方がいいと思いその準備を居酒屋で整えようとしていた。

 

。。続く