デブ屋探しの旅 vol1

うまいものを食う事がいきがいになりつつある。

昨年からうまいもんを探す意識が高くなっている。

金曜は友人といつも飲みに行く。昨日もそうだった。しかしいつもきまったところばかりにいってしまう。いつも行くお店の食事はとてもおいしいのだけれどマンネリズムから浮気心が芽生えぼくらはついに他の店に行こうと決心をした。

うまい店といってもその中でも種族がある。たとえば高級フランスレストランなどには興味がない。そういうところは居心地が悪いのでそこで食べる食事はおいしく感じられない。さらに金もない。だからそういうところは僕たちが探す店の候補からは除外される。そういう雰囲気を楽しめる人たちがいけばいい。じゃあどこがいいのかというと安くてちとボロっちくてうまいところだ。だめだめそうな人間でも居場所にしてよさそうなところがいい。犬のマーキングのような感覚で自分たちの領土を増やすために旅に出たとも言える。

しかし昨日は敗北をきした。

生肉が食いたいという事で、友人の知り合いがオススメしている店に仕事帰りに向かった。しかしまず「予約していますか?」ときかれてなんだかやばい気持ちになった。予約をしていないと今日は厳しいと言われ領土拡張遠征の出鼻をくじかれた。そのお店は見かけは隠れ家的だがかなりの人気スポットらしく僕たちのように予約しないで戦いに行ったチームが、目の前でどんどんと潰されていく。次の居場所が決まっていない僕たちは、うまい店が紹介してくれる店はうまいという理論にもとづき、そこのお店でオススメの店を聞いて向かった。

しかしそこには、

ワインがめちゃくちゃ置いてある。店のライトは淡いオレンジ色で既に夜なのに夕暮れを連想させる。ワイン棚が店の中心にありそれを基準にインテリアが構成されている。ワイン棚を取り囲むように机が配置されていて、ぼくらよりも先に入ったお客さんが座っている。仕事帰りOLだろう。茶髪で顔立ちの良いお姉さんが席について会話をしている。その声が店の色となじみ雰囲気の完成度を高めていた。

席につきメニューを眺めていると、「ラムがオススメです。」と店員は言う。「羊の肉と言え」と心の中で僕は思ったが、そんなどうでもいいことにつっかかるのはアホだなと直後に思った。その時からまともな思考ではなくなっていた。肉が運ばれてくる。多人種の領土に裸で座っている気分だった。僕たちは食べにきたのに今まさに食べられようとしている。そんなこんなで僕たちはその気分をぬぐい去る事ができず敗北し、続いて二件目も敗北した。完全に飲まれたのだ。羊じゃなくて蛇だったのではと思う。反省をしなくてはいけない。

結局いつも飲む街に移動し友人宅近くの餃子屋を会議の場所として選んだ。そこで話をした結果、予約をしなければ行けない店は性にあわないので行く必要がないという結論に達し、さらに街から選ぶべきだというアイデアが浮上した。

次はまず馴染めそうな街を決めてそこでふらふら店に入ることにする。

今週は失敗したが、次週が楽しみである。

 

 

----------------------------------------------------------

今回行ったお店

牛門 

行こうとしたお店。生肉が食えるらしい。レバ刺しとか。タイミングが合えば一度は行って吟味したいが人気過ぎるのが傷。店はせまい。店員のお兄さんが優しい。

 ひつじもん 

牛門ですすめられていった店。羊のお肉ととワインのお店。ワインが好きな人たちには人気がありそう。店の人が最後に匂い消しのスプレーをかけてくれるのが愉快だった。

やまがた 

二件目のお店。大衆居酒屋。コロッケとかアジフライとか、オーソドックスな料理が安定している。外人が好きそうなザ日本みたいなところでドイツ人とロシア人と話した。オヤジしかいない。そのため僕らはどんよりしていた。

柳亭 

餃子屋。カウンターしかない。金曜日はサワーが100円引きで安く飲める。もともと一杯380円?くらいで高くない。やはり餃子がうまい。マスターは無口で無愛想なおじさんだからとっつきづらいが、実は話したがりかもしれない。最初に餃子おいしいですと言ったときは無視されたが店をでるときに笑ってまた来てくれと言っていた。また行く。

せい家

締めのラーメン屋。安くラーメンが食える。味も悪くない。家系。チェーン店なのでラーメン通には毛嫌いされる節がある。

----------------------------------------------------------